このてんかん講座は青い鳥医療福祉センター機関紙「のびやか」に連載した文章が基になっています。10数年前、青い鳥医療福祉センターのホームページが立ち上げられたとき、学習会などに使ったスライド図表をいれ、大幅に内容を改変し、より充実したかたちで、てんかんのさまざまな面について記述しました。さらに、てんかんを実際にどのように診断するのか理解して頂くために、てんかんがあったといわれている歴史上の人物についての文章を「てんかん列伝」として加えました。おかげさまで好評を頂き、とくにドストエフスキーの文章にかんしては、スラブ文学者の沼野光義名古屋外国語大学教授や小説家の平野啓一郎氏から好意的なコメントをツイッター上で頂いたり、ドストエフスキーの翻訳で有名な亀山郁夫名古屋外国語大学学長に日本てんかん学会の特別講演で引用して頂いたりと、思いがけない評価を受けました。以前のホームページには「専門外のことも随分書かざるをえなくなり、きっと、間違いも多いことと思います」と書いていて、実際、こうした専門家の方々の意見が一番怖かったのですが、ホッと胸をなで下ろしました。もちろん、専門家からみたら問題があるのに大目に見ていただき、見逃して下さったところも多々あったとは思いますが、この御三方以外にもツイッター上などで評価して下さる方もみえることも知り、それに励まされて、以前の文章に大幅に手を加え、ホームページ改編に合わせ、掲載させて頂くことにしました。
「てんかん列伝」を除く、てんかんそのものの解説となる「てんかんについて」では、以前、てんかん診療の病歴の重要性を実感していただくために、親による嘘の訴えによっててんかんという病気が仕立て上げられる「作話てんかん(代理によるミュンヒハウゼン症候群)」にかんする文章を掲載していましたが、あまりにてんかんから離れた話題の多い文章でしたので、他の形でみていただくことにして、削除しました。代わりに、アニメ「ポケモン」を視聴していて全国で1000名近くのお子さんがてんかん発作を起こした事件が、反射てんかんという特殊なてんかんを理解していただくのには絶好の材料になるかもしれないと考え、今回、「ポケモン事件」という文章にして追加させていただきました。てんかんという疾患群の理解に少しでもお役に立てば幸いです。
内容
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